松任谷由実さんの「埠頭を渡る風」解釈に挑戦(登場人物等について)

 「埠頭を渡る風」の全解釈挑戦編をご覧になる前に、お願いをさせていただきたいことがあります

 甚だ勝手で申し訳なく、気を悪くする方もいるかとは思いますが、解釈を伝える便宜上、この物語に出てくる人物に名前を付けさせていただきました。

 それでは、以下に恐る恐る名前を伝えさせていただきます。

 この名前はあくまでも仮称です。
 
 こんなイメージではないという方もおられることも重々承知しておりますが、なにとぞご容赦をお願いいたします。

◎私=晴海〔はるみ:仮称〕…この物語の主人公の女性                  
 この物語の舞台は東京の晴海埠頭だろうという情報が出ています
 そこで、そのまま仮称にさせてもらいました
 
 晴海〔はるみ〕は港(埠頭は港の一部)を自分に例えています 
そして、あなたの隣で待っているから、風のような「あなた」に自分の存在に気付いてほしいと思っています。 
 また、歌詞の全体の印象や省略された表現から、穏やかだけれども言いたいことがあっても言い出すことができない一途な人柄だと捉えました 

◎あなた=風優哉〔ふうや:仮称〕…晴海〔はるみ〕の恋人のような?人

夜に晴海〔はるみ〕と二人だけで会い、二人だけで車に乗って出掛ける関係ではありますが、歌詞では恋人だと明示されていません
※ 明示していないのは、おそらく意図的だと思われます。

 風優哉〔ふうや〕は晴海〔はるみ〕にも、好きという気持ちを風向きのように向けますが、風のような人であるため好意を寄せ続けるという風向きが一定せず、以前から好きだった人にも好きという気持ちを向けていると捉えました。
(ちなみに、風優哉の哉は、漢文では疑問(ただし「か」と読む)と、強調(「や」と読む)のどちらにも使われる字です。)

◎晴海〔はるみ〕の友達=美帆〔みほ:仮称〕…風を誘う美しい帆船のように魅力的な女性で、晴海〔はるみ〕の女友達です

美帆〔みほ〕はこの物語の登場人物として明示されてはいません。
しかしながら、類い希な文才を持たれている松任谷由実さんは文脈に巧妙に織り込んで表現している、と捉えました  

風優哉〔ふうや〕は以前からこの美帆〔みほ〕に好意を寄せていたと推測しました

◎「埠頭を渡る風」の「埠頭」=これは3つの意味を持っていると考えました

1つ目…文字どおり、港の一部の埠頭という意味です
2つ目…自分は港と同じ立場で待つだけだと思っている晴海〔はるみ〕自身という意味です
3つ目…風優哉〔ふうや〕の気持ちがどちらに向くかというときの境界や分かれ目、岐路、分水嶺(ぶんすいれい)という意味です

◎「埠頭を渡る風」の「風」=大きく2つの意味を持っていると捉えました。

1つ目…埠頭周辺に吹く自然現象としての風の意味です
2つ目…風優哉〔ふうや〕自身のことを表しています。
    その風優哉〔ふうや〕は、誰に好意を抱いているかという、風向きに似た心情を持っています。

<自然現象の風について>
埠頭周辺では、「海風」と「陸風」という2つの風が吹きます。
これは中学校の理科に出てくる用語のようです。

「海風」…海から埠頭に向かって吹いてくる風
※一般的に海風は、晴れた日の午前10時頃からお昼頃までの間の凪(なぎ)状態を過ぎてから、だいだい夕方ぐらいまで、海から陸に向かって吹く風のことを言います

「陸風」…陸から埠頭をすり抜けて遠ざかるように海に向かって吹く風
※海風が夕方ぐらいまで吹くと、2時間ほど凪(なぎ)状態となります。そして、その凪の後に、陸から海に向かう陸風が吹き始めます。陸風は翌日の午前10時ぐらいまで吹いていることが多いようです。

<風優哉〔ふうや〕の心情について>
風優哉〔ふうや〕は「海風の心情」と「陸風の心情」を持っていると考えました

海風の心情…晴海〔はるみ〕に好意を寄せているときの風優哉〔ふうや〕の心情 
海風となった風優哉〔ふうや〕が沖にいる帆船の美帆〔みほ〕ではなく、埠頭という晴海〔はるみ〕に向かって吹いている状態

陸風の心情…美帆〔みほ〕に好意を抱いているときの風優哉〔ふうや〕の心情
陸風の風優哉〔ふうや〕が埠頭という晴海〔はるみ〕をすり抜けて、沖にいる帆船の美帆〔みほ〕に向かっている状態

それでは 「埠頭を渡る風」の全解釈挑戦編をご覧ください
 

 なお、youtubeにアップされている「埠頭を渡る風」はカラオケの伴奏が多く、海風を表すヴァイオリンや風優哉〔ふうや〕の台詞となる演奏が省略されています。松任谷由実さんの歌う「埠頭を渡る風」をお聴きになりながら、ご覧いただければ幸いです。

 

 

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