長崎 玄弥先生の秒速記憶法でチェック
「奇跡の英単語」(長崎 玄弥 著 祥伝社 (1979/10/1))という本があります。この著者の長崎 玄弥先生は「琵琶湖の水だって、バケツで汲んでいけばいつかはなくすことができる。英単語だって、ずっと覚えていけば、いつかは覚える必要がなくなるくらい身に付けられる」という強い信念を持ち、日本から出ることなく、討論から日常会話まで自在に英語を使う力を習得された方です。
この長崎 玄弥先生が英単語を記憶するときに使った方法が英単語秒速記憶法という方法なのだそうです。長崎先生はこの記憶法のことをロケットになぞらえていました。英単語を乗せたロケットで大気圏を突破し、英単語を地球に落ちてこない人工衛星のような状態にする方法だとのことです。しかし、初めてこの「奇跡の英単語」を読んだときには、この記憶法の意味をよく分かっていませんでした。それでも、本に書いてあるとおりにすると、英単語の記憶の定着が高まり、何年経っても思い出せるので効果があると思っていました。
これはいったいどういう原理なのだろうかと長い間ずっと疑問でした。それが、「日本語教育能力検定試験」の受検をするため、「言語と心理」の分野を勉強して、ようやく自分なりに疑問を解決することができました。
長崎 玄弥先生の秒速記憶のやり方は次のようになります。
① 英単語100個の発音と意味を一時的に覚えて頭に入れる
※ 関連する英単語、連想される英単語をまとめて覚えるのがコツとのこと
② 一枚の用紙に1~100までの番号と英単語が書かれたものを用意する
同じく一枚の用紙に1~100までの番号と英単語の意味が書かれたものも用意する
※ それぞれの番号と英単語、英単語の意味は対応させられるように記載位置を同じにする
③ ストップウオッチ、タイマー等で1分間計れるようにする
④ まず、英単語の書かれた用紙を用いて、1分の間に1~100までの英単語を人差し指でたどっていく
・指でたどる際に、「この英単語の意味が言えるという自信がある場合」はうなずく動作をする
・指でたどる際に、「この英単語の意味は分からないと思う場合」はうなずく動作とは別の動作をする
(顔を横に向ける、つま足で床をたたく、中指薬指小指で机を軽く打つなど)
⑤ うなずくことができなかった英単語の復習を行い、再度④を行う(すべてうなずけるまで)
⑥ 日本語の意味が書いてある用紙を用いて④のように取り組む
これは、1分間で100個の英単語の意味が分かるか、分からないかということを約0.6秒以下でチェックする方法です。1分間で100個の英単語がすべてうなずけるようになるまで繰り返します。
この方法でチェックした人の体験談では、この方法でチェックした英単語は本番のテストで浮き上がって見えたとのことです。
この方法は、一度覚えて頭に入れなければならないため、記憶法と読んでいいのかと疑問に思ったこともありました。しかし、「言語と心理」の勉強を進めていったとき、これは記憶法に違いないと思うようになりました。